※ネタバレあり 『何者』という映画(朝井リョウ氏原作)を、今更見て思ったこと

 

※本記事は ネタバレあり でお送りしますので気になる方はブラウザをバックでお願いします。

目次

・今更ながら、朝井リョウ氏原作の『何者』(映画)をみました

こちらの作品、たしか2016年くらいに公開だったはずの映画。ただいま23年、まあまあ昔の作品をみました。

というわけで個人的に少し語りたい、とおもったので記事にしてみます。

ちなみに当時でも自分は就活生ではないです。
大学生でもありません。
…だから全くこの映画の狙っている層とは違っています……が、結論、非常に楽しめました。

・実は『何者』という映画には個人的な思いが……

実は、何者に対する思いは、単純な映画の枠を超えています。
この映画に出会ったのは……たしか知り合い(大学時代の友人(同性) )に紹介されたかなんかだったと思います。

それで一緒に視聴……いや別々に視聴したはずでしたが、その後出会ってこの映画に関する感想なんかのおしゃべりをしたはずです。

つまり、友人と語り合った作品であること、大学卒業後の二十代中盤という大人の青春時代に出会った作品……そういう思い出付きの忘れられない映画ということです。

ほんと、このあたりは個人的なことなのですが(苦笑)

ですので、しっかりとした映画マニアや評論家の方の意見とは違うと思います。そこは個人的感想ということで許していただきたいと思います。

では本題へ。

・簡単なあらすじと登場人物

・簡単なあらすじ

 

5人の若者の就活模様。
それぞれが活力ある様子で、就活を行っていく、そのなかで、<5人で協力しながら就活を乗り切ろうではないか>と共同生活を始めます。

華々しい青春劇のような就活が繰り広げられていく……。

かに思われた、しかし裏では、どろどろの人間模様。

 

UnsplashSimon Zhuが撮影した写真

 

たとえば主人公の二宮がSNS(いわゆる裏アカ)において他のメンバーをひどい辛口で批評をしたりする。
特に就活とは無縁の場所で頑張る同期(烏丸)に対しては、かなり強い口調で断罪します。

他のメンバーも同様で、実は一癖二癖もありました。

メンバーの一人が内定すると、その内定した企業はブラックなのか?などのセコい情報を集めようとしたり。

人間の毒のある部分が徐々に現れていきます。

はたして、そんななかで、主人公の二宮は無事就活を突破できるのか……あるいは……何か答えを見つけるのか……。

と、そんな物語でした。

 

 ・余談ですが、佐藤健氏、かっこええーw

全く映画の本筋には関係ないのですが、2016年の佐藤健氏、かっこいい、と素直に思いました。

これは女性から人気が出ても文句は言えない……いやー、かっこよかったです。
自分オッサンですが、リクルートスーツをきた俳優さん、佐藤健さんが、ひどくかっこよく見えました。

さらにラスト付近で、「1分では語れません」といい会社を去るのですが、そのときの後ろ姿……。

なんというか、【あの二宮の成長】を感じさせるシーンがあり、胸が熱くなりました。

個人的な思い入れ含め、いろいろと思いの詰まった作品ですね。

・音楽がかっこよすぎる

主題歌は『NANIMONO』。アルファベットが逆にカッコいい。
しかし曲そのものはクールだと思います。

 

『NANIMONO』という曲も今思えばすごい。

というのも今となっては、米津玄師氏は有名ですが、2016年頃の今ほど有名でなかったわけです(ボカロ界隈では人気はあったが)。

いわば、これから人気になろうという米津玄師氏と当時でもトップランナーだった中田ヤスタカ氏のコラボの曲です。

すごいですね。

こういうところからも、この映画の作り方というか、気合いの入り方みたいなものが伝わってきますね。

当時最も強いと思われるアーティストや俳優や原作を集めた作品だったな、と個人的に思います。

・なんだかんだで……『踏み出す勇気』をもらえた映画

この映画、当時でも人気抜群のイケメン俳優や美人女優をあつめ、原作は当時新進気鋭、若手の作家である朝井リョウ氏の作品……。

脇を固める音楽は、スターへの階段を駆け上っている米津玄師氏、当時でもトップランナー中田ヤスタカ氏のコラボ。

広告や宣伝もバッチリな、まさに完璧な布陣の映画。

しかし逆にそういうところが、自分的にはマイナスにも映ってしまい、少し色眼鏡でいろいろ見てしまった部分もありました。

しかし間違いでした、個人的には十分、心が動く映画でした。

良い意味で「ウッ」と心が動くシーンが。

それが最後のシーンでした。

・すいません……1分では話せないです

就活の面接、ここ一番というところで、ふいに主人公が、この台詞を言いました。

今まで不平や不満を抱えつつも、世間体や学校や社会のなかで、上手く立ち回ることを至上と考えていた主人公。
しかしその不平不満は消えない……だから裏アカで発散する……そんな人間だったのですが……

その人間が、最後にこの台詞を言うんですね……。

そして、次のシーンは、椅子を蹴って(実際は蹴っていないがw)オフィスから出て、颯爽と出入り口へ向かう主人公の姿……。

感動というか……オッサンになると涙は出ないんですが、胸がウッとなるんです。そうなりました

・まとめ

・いろいろあるけど、頑張ろう、ということ

なんか意味不明なまとめになり始めていますが、素直にそう思いました。

というのも、この作品は、現代のSNSの闇と『就活』という生き馬の目を抜くようなサバイヴァルワールド……というベースですが、単純に見れば、二宮(佐藤健氏)の成長物語なんじゃないか、という気がしました。

社会の枠組みの中にいてSNSで世界の不満を書き連ねる……そうして、そこにいれば、結局安全。

さらに見てくれる人がいれば、そのSNSでの洞察も褒めてくれる人もいる……。

安全エリアでぬくぬくとしていながら、承認欲求を満たすことも可能。

まるで安全で快適なビニールハウス栽培中にいる感じでしょうか。

さらにそこからでも、主人公は洞察力があって、外の世界をけっこう深くえぐっている。

そうしたある種、優秀ではある主人公ですが、実際は、いつまでもビニールハウスの中にいるだけ……。

そんな主人公が成長し、ビニールハウスから飛び出して、雑草まみれ、海千山千、有象無象の世界に自ら飛び出していく、その背中が最後に見れる……そんな物語だったのかな、と思いました。

友人と語り合った映画という思い出補正のある作品ですが、お気に入りの映画の一つですね。

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